環境湿度の低下が皮膚や呼吸器のトラブルを招く | 一社アレルギー科こどもクリニック
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一社こどもクリニック

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環境湿度の低下が皮膚や呼吸器のトラブルを招く

by 一社アレルギー科こどもクリニック

最近、天気予報で異常乾燥注意報が報じられることがありますが、これは私たちの健康にどのような影響があるのでしょうか。
当院で受診される患者様の中にも、湿疹やアトピー性皮膚炎の悪化、喘息発作の悪化、蕁麻疹が長引く、咳や鼻水が止まらない等の症状を訴える方が増えています。
そして、このような症状を訴える患者様に共通して、皮膚乾燥がしばしばあることに気づきました。

ご自宅で加湿器を利用している方も多いのではないかと思いますが、当院の待合室でも相対湿度が40%を切ることが多く、加湿器でかなり強力に加湿しても50%まで上げることが難しい状況です。

ある患者様は蕁麻疹が数ヶ月に及んで長引き、悩んで当院に受診されました。
何とか原因を調べて欲しいとのことでしたが、なかなか原因が見つかりません。唯一、気づいたことは著しい皮膚乾燥でした。

そこで、保湿剤の塗布を始めたところ、肌もしっとりして、薬をやめても悪化は見られなくなりました。
その後、皮膚乾燥対策で湿疹や蕁麻疹等の皮膚のトラブルが解決する例が少なくないことがわかりました。

当院では、肌の油分・水分・pH計測ができる機器 「Derma Unit SSC 3」を導入し、治療の参考にしています。(保険診療外のため、サービスとなっています。)

環境湿度が40%を切ると、乾燥皮膚に由来する湿疹、蕁麻疹、皮膚のかゆみの悪化、乾燥粘膜に基づく喉や鼻腔の抗菌作用や抗ウイルス作用が減弱することがよく知られています。
また、喘息患者さんは粘膜が乾燥し、粘膜が敏感になり発作を起こしやすくなります。インフルエンザの流行時期は、より一層乾燥対策をした方がよいでしょう。

皮膚や粘膜の抵抗力を健康に保つためには50~60%の環境湿度を維持することが必要になります。
特に、生理的に乾燥皮膚が見られやすい乳幼児、高齢者、乾燥皮膚になりやすい素質の方、アトピー性皮膚炎患者さんは、乾燥に気をつけなければなりません。

pHと肌の関係

肌がトラブルを抱えている時、pHを測定するとアルカリ性に傾いていることが多々あります。
ニキビ・乾燥肌・感染(菌によって皮膚炎を起こしている状態)は、アルカリ性の時に発生しやすく、洗浄や保湿によって健康な状態に保つように指導しております。
また、トラブルが見た目にはなくなった場合、治療を途中でやめたいと思いがちですが、治療が快方に進んでいる指標にもなるため、当院では Derma unit SSC3 による肌診断を補助的に使用しております。